2022年9月19日号

戦争の本当の姿知ってほしい
本土復帰して50年の沖縄。
今年は様々な記念イベントが組まれ、沖縄の歴史を改めて見つめなおす企画を目にしますね。
その一つが、2022年4月期のNHK朝ドラ「ちむどんどん」。7月ごろに、沖縄戦の遺骨や遺品を探して、それを遺族のもとへ送り返す活動をしている人が取り上げられました。
このように遺骨収集している人のことを「ガマフヤー」と呼ぶそうです。
そのガマフヤーの一人、具志堅隆松さんにインタビューをしました。
サンゴが隆起してできた島沖縄は至る所に自然にできた壕(ガマ)があります。
ガマは大きなところでは軍司令部、小さなところは住民の避難場所になってました。
太平洋戦争の記録フィルムで米兵が火炎放射器で焼き払っている場面を見ることがあります。
これはこういう洞窟に逃げている人、サトウキビ畑に隠れている人を焼き殺そうという残虐な行為です。
こうした犠牲者の遺品・遺骨がまだまだ多数。今でも年100体近い戦没者の遺骨が掘られているといいます。
こうした遺骨収集ボランティアをされているのが具志堅さんです。

その活動を詳しく今号の1・4面で取り上げております。
この機会に、遺骨収集とは、どういうものか、お読みください。
更に、詳しい様子は、今年三月ごろに放映された地元TVのドキュメンタリーで見ることができます。併せてYouTubeでご覧ください。

当時、司令部のあった首里城地下。米軍の猛攻撃を受けて本島南部に移動します。
そこも猛攻撃で、20万人が犠牲になったと言われています。そのうち一般人が66,000人。
具志堅さんはその南部地域で主として遺骨・遺品の収集作業をしております。
ところが、辺野古の新基地拡張建設現場では大浦湾側の海底に軟弱地盤があることが判明。国は2020年4月に補強埋め立てのための土砂の7割以上を南部地域から調達する案を作成しました。
遺骨収集法という法律があって、国に収集責務があるこの遺骨を埋め立てに使おうというのは。
これに対して防衛省は「どこから土砂を調達するか決まっていない」を繰り返すだけ。
なんだかこの論法、どっかで聴いたことがあるような。「国葬」の経費予算の話にそっくりな先送り論法ですね。

具志堅さんのこうした活動を通して私たちに伝えようとしている「戦争の本当の姿」をしっかりと受け止めたいものです。


憲法違反の「国葬」を断じて許さない
今号3面に、「国葬」についての日本のうたごえ全国協議会会長田中嘉治の会長談話を掲載しました。
数々の真実をあげ「故人の功罪を検証すれば国葬に値する人物でない」と。


予算を2億5000万円としていましたが、世論に押されて渋々計算したのが16億6000万円。
「即位の礼」では警備・接遇費90億円といわれ、「国葬」招待客は倍以上だから、100億はくだらないのでは?との声も。
更に、大勲位菊花章頸飾と大勲位菊花大綬章を授与することも決まったとか。

こちらは「国葬」中止を求めるネット署名。もうすぐ20万を越えそうです。
是非、皆さんもおひとつ。

今号3面では、国葬反対のスタンディングにすぐに使える替え歌を2篇紹介しています。
本紙の「うたごえ川柳」からも引用。是非、ご活用ください。


ふるさとをとり戻す闘い
8月24日、岸田政権は電力需給のひっ迫、エネルギー対応のためこれまでの方針を転換して「原発再稼働、新増設も検討」と言い出しました。
11年前の東日本大震災と原発事故を忘れてしまったのでしょうか?
一度事故が起きたら、原状回復が難しいということ。福島地裁では原状回復請求が認められていません。
一度事故が起きてしまうと、住民に長く苦しい闘いを強いる原発。
確かに、電力需給はひっ迫していますが、この10年、何を政府はやっていたのでしょうか?
今週の「うたごえ川柳」じゃないですけど、これはまさに「自民痘」という新種の禍ですね。
さて本題。
今号8面の第二特集は「花地蔵物語」について。
「紫金草物語」の作詞・大門高子、作曲・安藤由布樹のコンビが、福島県浪江町津島地区を舞台にした合唱曲を作っています。
津島原発訴訟を闘っている人には、満州からの引き上げで苦労し、戦後この地の開拓で苦労して、そして今、原発事故の被害を受けたという人が少なくありません。
住民不在の長安寺にはたくさんのお地蔵さんがたくさん。
そして、福島では今でも春になると枝垂れ桜が満開になります。
合唱曲はこの3つをテーマにつなげています。
今をどう乗り越えるか、お地蔵さんへの祈りと咲き続ける桜への思いををつなげてタイトルを「花地蔵物語」にしたそうです。
大門さんの「紫金草物語」「再生の大地」に続く三部作として、期待したいですね。

この絵の雰囲気覚えておられますか?
そう2017年に開催された日本のうたごえ祭典inいしかわ・北陸のポスターやプログラムに使われていた志田弘子さんの友禅染め絵ですね。
この10月に原画展が東京・神楽阪で開催されます。
詳細は8面で。

平和が大事 守ろう 創ろう
埼玉高校生平和サークルPeace Wing。その活動を支えているのは本紙の読者。
その関係で、「明日JR大宮駅前の署名行動を行うのだけど」という参加要請が埼玉のうたごえ協議会にありました。
さすが埼玉の行動力で、すぐにうたごえ音楽隊6人を編成。
この写真は、昨年の全国総会で講演をしたアーサー・ビナードさんの紙芝居「ちっちゃいこえ」を使って署名を訴えているところ。
この紙芝居は、丸木美術館の「原爆の図」を7年がかりで紙芝居にしたといわれてます。
紹介ビデオはこちらから
この写真で掲げているパネルは、映画監督有原誠治さんが作成したイラスト「核兵器禁止条約が禁止した7つのこと」。
有原さんといえば、70周年記念日本のうたごえ祭典の記録DVDのための映像を撮っていただいた監督さんです。

ピースフェスタ八尾が3年ぶりに開催され、その名も「でこぼこコンサート」。命名の由来は5面で。
プログラムは合唱、合奏、ダンスに音楽劇も。音楽劇は「CIAの憲法くん」という誕生から今日までを6曲の歌声にのせて構成したもの。
どんなものか、YouTubeに上げてもらいたいですね。

こちらも恒例の市原ピースフェスタ2022。
今年は「うたで綴る日本国憲法」。耳慣れた曲の替え歌を創って構成したそうです。2曲ほど5面の本文でご紹介しています。ご参考まで。
YouTubeに出てないかな、と検索しましたけど、見つかりませんでした。
その代わり、以前ご紹介(2020年5月4日号)した組曲「日本国憲法」の増補新版も面白いので、この際にいかが?

土古コーラスゆりかごは平均年齢80歳手前。健康長寿の秘訣としての合唱は欠かせないそうです。
このサークルが本紙読者の獲得に頑張っていただいており、地区合唱発表会を契機に7名の読者をゲット!
しかし、驚いたことに、コロナ禍でなかなか外出ができないため、ラインで勧めてくれたとか。
失礼ながら、高齢者と言えばこういうIT機器には、と思いますが、どうしてどうしてバリバリに使いこなしているのですね。

おや、愛知での全国交流会のご案内チラシの色目が変わりましたね。
それはさておき、全国で12月の愛知を目指したイベントが各地で開催されています。
今号3面では、広島(9/19)、山形(9/25)、信濃(9/25)、自治体(9/25)のうたごえ祭典の予定をお伝えしております。

  • 聞く力ほんとにあるなら国葬中止
    菅野章
  • 統一に統一されし岸田かな
    たもつ
  • サル痘の名前変えるなら自民痘
    エーちゃん

皆さんからの投稿をおまちしております。


元気な年金者うたごえ喫茶
どこでも年金者組合は元気です。でも、物価高とは真逆に支給は減額。そんな怒りも込めるには元気じゃなきゃ、ということでしょう。

本紙2021年10月18日号で紹介しました新潟県五泉市にできた素敵なイベント会場で「夏祭りだ全員集合」に男声合唱団どんぐりの鈴木洋さんが参加。アコーディオンで「キエフの鳥の歌」を演奏しました。

国鉄祭典へ
本紙2022年9月5日号でズームアップした国鉄のうたごえ祭典に向けての準備が進んでいます。
今号では、西日本での合同練習会の様子をお伝えしております。
今回のゲストは松野迅さん。
この合同練習会にも参加して合唱とバイオリンのアンサンブルの音合わせを行いました。
どんな曲を演奏る予定か、楽しみです。
大阪開催ですけど、オンライン配信もされますので、遠方の方でもリアルタイムにコンサートの雰囲気を味わえるでしょう。

連載1300回 ゴルバチョフ死去
9/19-26
追憶
調和
渡辺享則
日本のうたご全国協議会副会長
(59)上を向いて歩こう
やってみよう
谷永紀子
立命館大学「若者」OB合唱団
小村公次
(105)声聴館アーカイブコンサートⅡを聴く
第7回世界合唱シンポジウム
5月7日のこと
作詞 坂本将取 作曲 新実桂奈
試聴はこちら
中川運河しおりギャラリー
夏の企画展「栞に見る戦時下のニッポン展」と合唱構成「銀色の翼にのせて」
山形・片桐康子