2025年11月24日・12月1日合併号

延々700kmの壁の外側と内側
万里の長城があって、ベルリンの壁があって、そういう歴史の中で新たにまた700kmにわたる壁が人類を隔てています。その実相を伝える映画「壁の外側と内側-パレスチナ・椅子ライル取材記」が公開されています。その監督川上泰徳さんにインタビュー。
まずは、こちらで予告編をご覧ください。
2002年1月、イスラエルは「テロリストの侵入を防ぐため」として、ヨルダン川西岸地区とイスラエルの間に高さ数メートルのコンクリート製の壁の建設を開始。国際司法裁判所は2004年にこの分離壁は国際法を違反しており、取り壊すべきだという内容の勧告的意見を出したのですが、法的拘束力がないため、現在に至っています。 2023年10月7日、ハマスがこれを越えて攻撃したことにより今回のガザでの悲劇が始まっています。
そもそも壁の内側とはイスラエル側。つまりイユダヤ人の入植地としている土地をまもるためのもの。
ところが、国際法では、戦争で占領した土地に自国民を住まわせてはならないというルールがあるのですけど。
武力での解決は絶対に避けねばなりません。こういう複雑な歴史や宗教が絡んだ問題こそ、解決のための話し合いが必要になります。
日本政府は10.7以降でも、パレスチナに300億円近い援助を行っています。
これがイスラエルの爆撃などでせっかく建設されたインフラが破壊されています。
こういうことに、しっかりと抗議する、というのが平和解決への第一歩じゃないでしょうか?
そんな歴史を頭に入れて、今号の特集をお読みください。
4面で紹介している監督から紹介されたガザの音楽教師の映像のリンクはこちらから その音楽教師は「世の中で恐ろしいものはドローンの音だ」と言いながら、その雑音を音楽に変えてしまう逞しさを感じてください。

被爆の実相に向き合う 戦後史プロジェクト
今号はカラーで12面構成。
その12面での第二特集は、昭和女子大学の大学祭で発表された戦後史プロジェクトを取材しました。
学園祭というと模擬店と音楽イベントというイメージですが、こういう研究成果を発表する場でもあるのですね。
このパネルは、1985年原爆被爆者調査の結果を参考に「原爆にあらがって生きよう」という被爆者を表現したものです。 発表会場はかなり広いスペースがとられてました。
この大学で、どういう経緯でこのプロジェクトが立ち上がったのかなかなか興味深い記事ですよ。 9月15日号で紹介した東京・港区での平和のつどいの様子など、各地で行われている小さな平和を希求する取り組みが、集まって大きな流れになることを願っています。

想いをつないで歌が響く
越前市芝原5丁目での創作曲の取り組みについては、2024年9月23日号でお伝えしております。
そこで出来上がった合唱構成「我らがふるさと芝原」。
まず、その創作の過程について今号6面の特集「福井」編でお読みください。
この創作曲が今年10月、芝原5丁目秋まつりで演奏されることに。それも地元の中学校の合唱部が応援に加わって。
第58回山形のうたごえ祭典
~みんなで創る音楽会”うたおう戦争のない世界をめざして”
山形市テルサアポローズ
若い世代の参加者も目立ちました。
写真は「上を向いて歩こう」を演奏する米沢中央高校音楽部の皆さん。
ほかにも「青年合同」では惺山高校の生徒も参加して「みんなみんな英雄」。
生かそう憲法 守ろう9条
11・3憲法集会in京都
11月3日
円山音楽堂1947年の施行前にここで3万人が踊ったという「平和踊り」が今日に踊り継がれています。
こんな曲です。
集会の文化企画は京都鬼剣舞 この青空には「憲法九条五月晴れ」がぴったりです。
講演は、朝日新聞編集委員の高橋純子さん。7面に講演の要点が記されています。話題のネタに覚えておくといいトピックが3点。うたごえ喫茶の司会者さんにも曲の紹介に使えますよ。ぜひ読んで、それを話題作りに応用してください。
震災被災地の羽咋で「北陸のうたごえ交流会 うたごえ広場inはくい」が10月12日に開催されました。
復興支援ソング「朱鷺が舞う」をみんなで歌いました。この曲については、来年2月23日、羽咋市邑知公民館で「朱鷺が舞う」うたの広場が開催されます。黒梅明さんの詩に10曲以上のメロディがつけれれており、この機会に全曲を歌ってみようという企画が立てられています。
北陸3県合同で「ぞうれっしゃ…」が演奏されました。

寄稿 2025日本平和大会
今年もうたごえ祭典にかぶらずに日本平和大会が開催されました。10月25,26日、名古屋で。
オープニングに「ぞうれっしゃ」が演奏されました。
2026年はいつ、どこで開催されるのでしょうね。

難民の人たちに代わって声を上げる
日本に在留する外国人は376万人(2024年末)と言われてます。労働力不足というより就業のアンマッチで外国人労働者に頼らざるを得ない職種が増えているということが背景にあるのは周知のこと。
一方、避難民も2800人。約7割がウクライナから避難して来日している人。
また、今号5面で話題として取り上げている難民というのは、統計上は190人。問題は、難民認定申請者数は昨年は12,373人。
認定率は一けた台。
世界的にどんな数字なのか、こちらのレポートを参照してください。
さて、本題、今号5面の話題は難民支援活動をしている松浦さん。
この方とうたごえをつないだのは、関西合唱団は昨年取り組んだ合唱組曲「クウネルワラウ 死ぬまで生きる」。これを創作する際に関西合唱団が取材した一人が松浦さん。
先進国では概して難民や移民には寛容でしたが、右翼系の排外主義者が今世紀に入って増えてきてました。
最近になって、ちょっと待った!という動きも出始めています。
日本では、先の参院選で排外主義を掲げる政党を議席を伸ばしています。ポピュリズムの典型ではないかと思います。

革命66周年のキューバ
北海道アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会が革命66年を祝っているキューバの駐日大使を招聘して講演会を行いました。キューバでは教育費と医療費が無料。なんでそんなことができるのか5面でお読みください。
一方日本では受診や薬の価格が検討されており、全く真逆な状態。
キューバと言えば、音楽、ダンスが盛んな国。チャチャチャ、マンボ、サルサなと世界中で愛好されているダンスリズムの発祥の地。

普天間さんは大体この時期にコンサート行ってますね。
今年は12月27日、東京文化会館小ホールでコンサート2025 ココオロノオマモリを開催します。
今回の話題は、レナード・コーエンの「ハレルヤ」。意欲的な取り組みです。
東京文化会館の小ホールと言っても座席数600。ちょっとした大ホール並みです。
ここを毎年満席にして年を越してきた普天間かおりさんの今年の挑戦に期待です。

千葉のうたごえフェスティバル
12月7日
市川・行徳文化ホールI&I千葉のうたごえ協議会ではこれまで県レベルでのうたごえ祭典を開催してきませんでした。
今年、初挑戦。
収容人数637人。
是非、満席にして成功へ願っています。
第7回 東京大空襲を忘れない”平和の集い”
12月2日~4日
東京・江東区文化センター集いでは、12月3日に「合唱団この灯」、伊藤千尋さんの講演などが予定されています。
東京大空襲については東京大空襲・戦災資料センターで詳しい資料が得られます。

「森の熊さん」で何となく愛嬌のあった熊が厄災級の問題になってます。
そういえば、ちょっと前までは「かわいい七つの子」と愛されていたカラスもそうですね。
これって日本特有の問題かと思っておりましたら、前田さんからの糸電話で、オーストリアの様子が伝わってきました。
以前ヨーロッパに滞在していた友人が、郊外を散歩中にヨモギを見つけたので、採っていたところ、ドイツ人に「野生の動物の食糧を採るな」って怒られたとか。このように野生動物との共生を図ってきたのですが、こういう事態も気候変動に因っているのでしょうか?

学生のうたごえOB 元気!
今後は12面建てなので、読みどころがいっぱい。
その一つが、9面の学生のOBの集い。
多くの学生サークルが1970年代を前後に隆盛を極めてましたが、その後、バンドや和太鼓サークルに模様替え、というのはまだいい方で消滅したサークルも多いようです。
日本福祉大学のうたごえサークル馬酔木は11月2日に同窓会を開催。1000人以上が集まったそうです。 本紙10月20日号の「随想うたごえ時間」に名古屋青年合唱団の武藤さんが「学生のうたごえOK、集まれ!」を執筆してましたね。

結びの会~2025うた新読者の集い
京都のうたごえ協議会では定期的に読者の集いを開催してます。
今号では10月26日に開催された読者を「結びの会」と銘打って開催しました。
本紙で度々名前を見かけるサークル・合唱団に声をかけ、うたう会形式で開催してます。

  • 森ならぬ「街のクマさん」笑えない
    弥助
  • ファーストと排外主義は響きあい
    福家駿吉
  • すり替えやん裏金棚上げ定数減
    中西 晃

皆さんからの投稿をおまちしております。


「平和の旅へ」合唱団結成
静岡で俺まで懸案だった「平和の旅へ」合唱団が結成されました。
きっかけは、本紙9月22日号で紹介した伊那市で開催された「平和音楽祭」の記事。

合唱団風は10月25日、鹿児島県母親大会のオープニングで「クスノキ」などを演奏。今曲は最近話題ですね。
滋賀県豊郷町の「うたごえ喫茶 あおぞら」は月一回の開催で今回は第150回。
長寿の秘密はスタッフやサポートが活躍していること、のようです。

函館トロイカ合唱団
2025定期演奏会
戦後80年 未来へつなぐ平和の願い
10月19日
函館市芸術ホール
江戸川保育のうたごえサークル
ふくじゅ草
50周年コンサート
10月26日
東京・東部フレンドホール

合唱団ペニ・ウン・クル
戦後・被爆80年ピースコンサート
10月18日
旭川市木楽輪(きらりん)

アコーディオン教室から
松永勇次アコーディオン教室
おさらい会
7月26日
埼玉・春日部市豊春地区公民館昨年に続いて第二回目の開催でした。

絹の道合唱団
三多摩青年合唱団
合同演奏会
被爆・戦後80年特別企画
10月25日
パルテノン多摩大ホール初めて開かれた合同演奏会について小村公次さんの評論を10面に掲載しております。

連載1446回
おとぎ話の意義 その1
11/24~12/7
希望
遠い世界に
日沼慎吉
函館トロイカ合唱団
戦禍の中の子どもたち
禁じられた遊び
第68話南信州芸能村考⑧
Iのまち・いなぎバラフェスでの演奏の魅力
塩原良
やまびこボイス
二見颯一
AIと人間の共生
わたし地球人
小澤アイ子作詞 町澤恵作曲
試聴はこちら

”モヤ”る それでもどっこい生きている

Violin on OPERA
杉山良江(神奈川)