いま、憲法九条をまもりいかす声をいっそう大きくしていくとき。うたごえ新聞編集の基調もここに置いています。憲法をまもりいかす、顔と顔を見合わせて、たがいに心ときめかせて、自分たちの理想を実現していくことだと思います。
その理想とは、いのち、希望が断ち切られない社会、それを一緒に作っていく、そのためには人と人がつながり合わなくてはできないことであり、それを歌をとおして、ときめきを呼びおこし、新鮮な息吹を与えあい、つないでいくことだと思います。そのつなぎ手に、毎週のうたごえ新聞があるのだと思います。
NHK TV番組「ねがい−世界に広がる平和の歌」を半年余取材されたディレクター古賀久美子さんに取材した時、古賀さんは言っておられました。
「国を超えて広がる歌は他にもある。しかし、一つの歌を自分の国の言葉で歌詞を作りうたうということはものすごいことだと思います」、と。海外協力隊として海外での生活も経験され、国によってバックグランドがいかに違うかを実感されている古賀さんです。ゆえに「歌のすばらしさと同時にこの歌には世界共通のねがいが込められているからではないか」ということばに重みを感じました。
いろんな歌を、生き様を、思いを、もっともっと吸収しあい発信する双方向でさらに豊かな財産をつくっていくことが大事であり、そのことをまさに、いましなければならないことだと思います。
笠木透さんは言います。「無告の民」が発信する大切さ。100年前、主権在民の憲法草案をつくった明治の青年たちは、当時読み書きができない多くの民衆に草案をはやり歌「銚子大漁節」にのせて広めた。いま、読み書きはできるが真実が読めない時代、つまり、「第二の文盲」の時代に、歌に乗せて真実の声を伝えていく、いま、うたごえ運動の出番だとおっしゃっています。
これからも、全国の息吹を新聞に載せて、たくさんの人の思いを載せて、むすびあう運動、学びあい、つなぎあう新聞としてさらに広げ、充実させていきたいと思います。
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