ひめじょおん

【作詞】金子つとむ

T
わたしは野原のひめじょおん
今年もきれいに咲きました
風がなんだか重たげに
わたしの体を過ぎていく

U
わたしは野原のひめじょおん
こんなにきれいに咲いたのに
車一台通らない
人っ子一人通らない

V
わたしは野原のひめじょおん
かわいいあの子はどこいった
わんぱく小僧はどこいった
駆け回るのは猪ばかり

W
わたしは野原のひめじょおん
夕べにともる家々の
菜の花色のあの明かり
何時まで待っても戻らない

X
わたしは野原のひめじょおん
ある日覗いた水溜り
これがわたしの姿なの
花心異様に膨らんで

Y
わたしは野原のひめじょおん
あれからおんおん泣いてます
わたしの涙は川になり
わたしの涙は海になる

Z
わたしは野原のひめじょおん
遠い昔がなつかしい
船で運ばれ横浜に
風に吹かれて福島に

[
わたしは野原のひめじょおん
こんな姿で咲いてます
わたしは野原のひめじょおん
ひとりさみしく咲いてます

製作日誌:
2016年11月1日 歌詞を掲載しました。