ありがとう、新江さん!
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31日、山ノ木コンサートへ。ちょうど一年前になる、“山ノ木竹志とその仲間たコンサート”。あの時は、車椅子だったが、山ノ木こと新江さんとことばを交わせた。「がんばってね!」「おう、わしゃ、がんばるでぇ」、そういった彼は、舞台スクリーンにおさまっている。2001席の広島厚生年金会館大ホールを埋めるアーティストはめったにいないと言われる会場は立ち見席含む超満員。一つ一つの歌に、新江さんと交わしたことばが思い浮かんでくる。
コンサートのことは次号のうた新に書くが、「町」という歌がなんとも心にしみた。この曲は昨年のコンサートでも聴いたが、今回は深く心が潤された。
一昨年、北海道・夕張で北海道のうたごえの、創作&うた新フォーラム&ミニコンサート…、と盛りだくさんの集いが開かれた。その時、5月に大腸癌の手術した新江さんが、術後の身体を心配して同行した熊谷勇二・恵美子さん夫妻と、創作のチューターとして来ていた。
晩夏の北海道・夕張の空は真っ青な澄み渡り、山の木々もすっきりした色彩を放っていた。表で時折吹く風に「ええのう、このやさしい風がええんじゃぁ」と風に顔を向ける新江さんの横顔は、前夜の半徹での曲作りは大丈夫だったかと思うほど痩せて見えた。「大丈夫じゃ、食べ物も今は全部自分で調べて体にいいものを食べとる。(大好きな)ビールは、今は我慢じゃ。日本のうたごえ祭典の時まで我慢。祭典の日にいっぱいだけ飲む」。それほどに再発しないよう気遣っていた。あの夕張で、何年越し温めていた「町」を完成させたという。
〽かぜよ みちゆくかぜよ どこから来たのか…
やさしい風が、どの町も包んでいく…、なんと心温かな歌だろう。
そして、作業所のなかまたちの「もっと高く」。バックの映像、新江さんの笑顔が、なかまたちがおもいっきり手をかざして歌う〽もっと たかーく…を見守る。もっと高く、誇り高く…、歌が彼らを励まし、聴いている私が励まされる。
最後は池辺晋一郎氏の指揮でGreat Journeyから「ねがい」へ。大いなる旅立ちを会場を包んで響き渡らせた。
最後に、池辺氏からバラの花束が、舞台に上がった新江さんの奥さん・みどりさんと二人の子ども克己さんと史樹さんに贈られた。お礼に立ったみどりさんのあいさつ、それは2時間半のコンサートをさらにさらに豊かにする一言一言だった。二人で歩んだ時間、その珠玉の時、そして「私の旅はまだまだだ」、と。
高田さんが舞台から言った。「おーい、新江さん。聞きこえるか」「新江さん! ありがとう!」 |
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この投稿は 2010年2月7日 日曜日 11:05 PM に 雑感 カテゴリーに公開されました。 この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。
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