2013年7月 のアーカイブ

前橋汀子さんにまたまた魅せられて

2013年7月14日 日曜日




 取材で出会った人が、その場だけではなく、気にとめて居てもらえるというのはとても光栄なこと。3月にヴィオリニスト前橋汀子さんにお会いした。「グレート・ラブ 関鑑子の生涯」執筆をほぼ終えた頃、うたごえ新聞の関鑑子没40年記念企画で、前橋さんと関先生の娘である声楽家の小野光子先生のビッグ対談を企画した。お二人は、日本で最初に当時のソ連、小野先生はモスクワ音楽院で、前橋さんはその少し後、当時のレニングラード音楽院に留学し、その接点の糸に関鑑子がいたことから。お二人のソ連時代のこと、深い文化芸術の国ロシアの話は尽きなかった。

 その折り、演奏家として50年の前橋さんは、これからの自分のライフワークはヴァイオリンの魅力・楽しさを少しでもたくさんの人に届けたい、とアフタヌーンコンサートを開いている、ぜひ聴きに来てください、と誘われた。そして、「この日は? ダメ、ならその次、この日ね」と言われたその通りに、招待状が送られてきたではありませんか。

で、サントリー大ホールへ参りました。

 満席です。大ホールの隅々にまで、体と楽器が一つになって届く響き、楽器が違うの? と思うほどその音色に引き込まれ、酔いしれました。

プログラムのすべての演奏が終わった時、スタンディグオベーション、と私腰が浮いたけれど、誰も立たない。で、座ったまま思い切り拍手した。

 応えて前橋さんはアンコール演奏をした。またまた大きな拍手、そしてまた演奏…となんとこれが30分6曲。それは前橋さんのもっと聴いてね、もっと聴かせてあげるわ、と心身共に楽しんでいる雰囲気が伝わる演奏だった。

 本物、本物の人のヴァイオリンを聴いた、幸せなひと時だった。